デビルウィスパー21
……!
どうにか言葉を繋いだあたしは、今度こそ絶句した。
「誰かが意識不明になると……決まってその近くにはあいつがいる」
田村君は、はぁ、と溜息をつく。
「そう、それ以外、まったく根拠は無い。科学的な証拠も無い。意識不明の状態とか、植物状態とか……何かしら暴力を加えられた訳でも、薬をもられた訳でもない。そう、あいつ自身は、何もしていない」
意識がなくなると、その人たちは十中八九、衰弱死する。
どこか諦めたようにそう言った。
「あいつはこう言っていたよ」
僕には、悪魔が巣食っている。だから、近づかないで。
「幸一に誰も近寄らないように僕が仕向けたからかな……皮肉にもここ三年、そういった事件は起きていない」
「そ、そんな事を信じているの?! そ、それなら」
あたしはこの論を無効にする、生き証人を眼の前に見つけたことで感情が昂ぶり、思わず両手を机に叩きつけ、立ち上がった。
「だ、第一、あ、あなたは? 九条君に一番近しい友人のあなたが死んでないじゃない! そんなの所詮偶然……」
「……今でも、よく覚えている。小学四年生の時だった」
ぼそりと呟かれた言葉は、地獄の底から響いてきたようだった。
「突然、視界が真っ白になったんだ。走馬灯なんてものは見えなかった。ヤバイ、と直感的に思って逃げようとしたけど……縄でがんじがらめにされたように体は動かなくて……」