コーリング

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ガビル

ガビル

 すると女は徐々に顔を綻ばせ……親しげに幸一の手を取り、

「……ホント、助かったわ! ああいうのを『地獄で仏にあったよう』と言うのね!」

 握った手を、ブンブン上下に振る。

 一体何なのだ、こいつは? 人を襲ったかと思えば助けられて質問攻めにし、挙句には『助かった』。

落ち着け……まず事態を把握しろ、ジン。

(これは……どういうことだ?)

 ……幸一は忌み嫌うオレにですら問いたい心境なのだろう。それくらい動揺している。

(そんなことは、オレが聞きたい……!)

 そうだろう? 今まで、こういった連中は有無を言わせず幸一を襲い、説得には応じた試しが無いのだ。

オレには人の心を破壊する能力に付随する形で、探ることも出来る。だが……この女には先程のような殺意はおろか、敵意すら見当たらん、演技では無い。

どういうことだ? この変化はあまりにも解せん。今日は不可解なことが多い。

 さらに幸一の動揺は続く。女は自分の腕の辺りに眼をつけ……次いでジロジロと自分が着ている服を確認。そして唐突に俯き、震える指で自分の着ている服を差し、つっかえつっかえ、声を絞り出し始めた。