ゲビルパ
「あの……これ、は?」
「俺の服だが」
「……どう、して、私、この、服、着てる、の?」
「着替えさせた」
途端、女の顔がゆでだこのように真っ赤になる。幸一は不可解そうな表情で続ける。
「雨に打たれて体が冷えていた。だから湯に入れた後で着替えさせ、ベッドに」
「キャァァァアアア!」
事務的な手続きを踏むかのような説明に、いきなり、枕がブン、と音をたてて至近距離から投げつけられた。幸一はその凶器を、首を動かし避ける。
「……おい、俺の話を」
「変態! チカン! スケベ! エッチ! 近寄らないでぇ!」
マシンガンのような言葉と共に、ティッシュ、タオル、CDラジカセのリモコン、ハードカバーのついた本、ミネラルウォーターの入ったペットボトル……手当たり次第投げつけてくる。
「ちゃんと、聞け」
「イヤァァァァ!」
……女の混乱が治まるまで、オレはしばらく静観するとしよう……