デオル30
「そうだった……ごめんなさい……謝ってすむことじゃないんだけど……私の名前はアストレス、周りからはアストって呼ばれていたわ。『祝福の地』に存在する神の従者」
つまり、天使という訳か……
(……俺にも詳しく教えろ)
(お前でも聞いたことはあるだろう、人間が死ぬと行くと言われている場所が)
(……天国と、地獄か?)
(厳密には違うが大筋ではその通りだ。だが問題は『祝福の地』と『絶望の断崖』のことではない。こいつがここにいるということだ)
神が住むと言われている『祝福の地』。生きながら死ななければならない、絶対矛盾を解いた『洗礼者』のみが足を踏み入れる事の出来る場所。
その矛盾を解く為に、愚か者は悪魔の用いる魔術に手を染め……『絶望の断崖』へと近づいていく。人の身で魔術を扱う代償だ。
もっとも、よほど馬鹿な事をしない限りは『絶望の断崖』を越える事はない。適度に使えば文明の利器同様有意義なもの……なのだが、この世界には結構な大馬鹿者がいるらしい。
オレとしては、大歓迎だがな。